
昭和から令和までを俯瞰して、選りすぐりの作品を選別!
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【漫画】亡霊学級 のレビュー
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【漫画】亡霊学級
昭和の中学校の教室を舞台にしたホラー漫画
オドロオドロしく怖く気持ち悪い、学校で絶対にあって欲しくない出来事の核心を見事についてくるオムニバスの一話完結型。
古めかしい妙な雰囲気のある校舎、不気味な標本や剥製などが並ぶ埃っぽい理科室など、今時の若い人が見ると逆に新鮮な世界に映るかもしれない。
絵柄もホラーにマッチした緊張感ある人物描写なのが、臨場感と恐怖をより一層引き立て引き締めてくれている。
つのだじろう先生は、楳図かずお先生と並んで、日本のホラー漫画古典の巨匠であることは間違いない。

【漫画】うずまき のレビュー
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【漫画】うずまき
題材は、題名通り「うずまき」という事象にまつわるホラー。
うずまきは日常のあらゆるところに潜んでいる形状だ。日用品、モニュメント、絵画やデザイン、建築、自然の事象など様々なものにその形状は潜んでいる。それらが異様に執拗に存在を主張しだしたらどうなるのだろうか。それは、ありきたりの日常に些細な不穏ともいえる気になる出来事として紛れ込むことから始まり、やがて徐々に日常を蝕み破壊していく精神的かつ視覚的な恐怖となるのだ。
見てる側も、自分の身の回りのありとあらゆる「うずまき」が気になりだしてしまうくらいのホラー漫画の中でも屈指ともいえるインパクト。読後も「うずまき」が脳裏に焼き付いて離れない。
著者は、初めから終盤までを意識していたのか、見事な美しいまでの絶望の境地ともいえる終盤まで破綻なく、息をもつかせずストーリーは繰り広げられていく。
ホラー漫画好きなら、一度は手にとって読むべき傑作!おすすめです。

【漫画】おろち のレビュー
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【漫画】おろち
世の中、何が一番怖いかっていうと、死人や幽霊や妖怪などではなく、結局実在する人間である。
それをまざまざと感じさせる人間ドラマが凝縮されているのが、この漫画である。
その中でも「骨」「秀才」「眼」のストーリーは圧巻。
人間の理性という蓋の箍が外れてしまった人たちの執念とも言える愛憎劇を読んでみたい人向け。
ホラー漫画界の巨匠・楳図かずおの圧倒的な人間ドラマの境地を味わいたい人はおすすめ。

【漫画】洗礼 のレビュー
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【漫画】洗礼
トラウマ級の親子の愛憎劇
若く美しい娘とその安否を気にかける面倒見のいい初老の母親との物語。
この漫画には、近年のホラー漫画などが生ぬるく感じてしまうほどのショッキングな描写が含まれてる。
ある意味、表現規制などが緩かった時代の作品だった故だからこそ出来たのかもしれない。まず、今の雑誌では連載掲載前に描写表現にストップが掛かると思われる。
私が幼少の頃、たまたま近所の通っていた目医者の本棚にこの単行本が置いてあり、パラパラとめくった時にそのページを見てしまい、以降トラウマに近いくらいの印象が長年脳裏を離れなかった。
著者・楳図かずお先生の絵柄と描写力も相まって、極限の人間ドラマによるホラーに仕上がっている。
トラウマ級の衝撃恐怖体験をしてみたい方は、ぜひおすすめです。

【漫画】座敷女 のレビュー
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【漫画】座敷女
スマホ、ネットがない時代に描かれた作品だが、根本的に今の時代でも断然通用する恐怖が描かれている。
真夜中にアパートの隣人部屋に訪れた得体の知れない正体不明の女(?)をドア越しに見てから、全てが始まってしまう。
都市伝説調のエッセンスをちりばめながらも、主人公の一人暮らしの生活感、大学生活、友人関係を緻密に描き、日常でありそうなリアル感を持たせているので、読み手はグイグイ感情移入し引き込まれてしまう。
得体の知れない女との確執は、今の時代ならばスマホとかあるので、電話線を切られたりしても通報できるし、追いかけられたり危害を加えられそうになっても撮影で証拠を収めることができるかもしれない。しかし、信じがたい説明のつきようもない出来事で信頼してもらえず、連絡も容易に取れない状況になったら、昔の人は孤立感の恐怖は半端ではなかっただろう。今の時代でも、都会では世帯の孤立化が進んで、近場の人に助けを求めようとしても、中々信じがたいことは信用されないし、厄介ごとは嫌厭され協力してもらえることは難しいだろう。
1冊完結で、内容も間延びせず凝縮されていて、ラストまで一気読み!おすすめです。

【漫画】恐怖新聞 のレビュー
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【漫画】恐怖新聞
真夜中に配達される新聞を読むと100日寿命が縮まるという新聞を配達する悪霊に取り憑かれた主人公の物語。
その新聞に記載される記事にまつわるストーリーとして題材を扱うことで、心霊に限らず悪魔などを含めたオカルト全般やUFOなどもオムニバスに扱うことができている。また、読むたびに寿命が縮まる主人公と、主人公に憑依した悪霊との攻防も随所に描かれ、全体の一貫したストーリーを引き締める要素として生かされている。
筆者の徹底した取材や研究の内容が緻密に反映されているので、今読んでも色あせることなく説得力を持って表現されているのをあらためて感じた。