site_review: 2021-12-09 06:12:19.766990 【技術本】UnrealEngine4で極めるゲーム開発

【技術本】UnrealEngine4で極めるゲーム開発

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【技術本】UnrealEngine4で極めるゲーム開発


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UE4で何ができるかUE4の基本機能を網羅した簡易的なゲームデモの制作を進めながら機能を解説紹介してくれている著作。
UE4の操作手順は、丁寧かつ正確に、項目の親項目や操作画面の位置を見失わないよう配慮された記述であるため、手際よく手順を進められると思う。ほぼ全工程において図による説明があるので、行き詰ることなく作業を進めることができた。
作業工程も、モック作成方法から、本番用メッシュに入れ替える作業、ブループリントによるゲーム制御、ゲームAI、アニメーション、エフェクト、ライティング、音響までゲーム制作過程で配慮すべき項目を網羅。
ただ、ゲーム制御の実装方法は、ブループリントという視覚的なフローコントロールによる作りこみまでであり、C++による拡張、連携などは言及してない。
そういう意味でも、レベルデザイナとしての役割を学べる位置づけに近い著作だと感じた。
UE4は、各開発工程、各開発者の担当分野ごとに裁量性を持たし、異なる専門分野の人員を跨がずに高速に試行錯誤のイテレーションを回せるのが理想として効果を発揮するツールとして活用できることがわかった。そのためには他の分野の人が制作素材を利用する際には各種パラメータなどをGUI経由で調整できるような部品作りと、素材や設定項目や制御の疎結合化による管理が重要であることがわかった。
現役の技術者が執筆されていることもあり、ゲーム開発における現場での各役割での課題や対処法も散りばめられているため、各役割のデザイナ、エンジニアごとに習得する内容の位置づけ、どのように他の分野のメンバと協業していけば効率的に開発が進められるかの観点も学ぶことができる
本書の値段は5000円ほどして高価だが、本編576ページに加え、Appnendix(A~F:約180ページ)の付録にまで重要な項目が及び、ノーカットで手順を録画したハンズオン動画もあり、著者本人が本気でUE4を教えたいという気概が伝わってくる。
十分に値段以上の価値がある知識を勉強でき、濃密な時間を過ごすことができた。
これからUE4を学びたい人は、ぜひおすすめです。

※バージョン4.18.3を使用して作業を行ったため、以下の項目で紙面と異なるため対応が必要となった箇所を以下に記す。

p470 25.4.2 項目なしのため継続できず:対処法が分かったら後述します
p542 28.2.4 Brightness Over Life > Destribution > Constant の値は100でなく500~1000くらい必要だった
p571 29.6.2 Musicサウンドクラスをダブルクリックせず、アイコン上のVolumeを調整して対応した

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以下のことを学ぶことができる。

・UE4のインストールと環境設定
・UEによるグレーボクシング
 BSPによるレベルデザイン:加減算ブラシ
・独自アセットのインポート
 マテリアル作成
 メッシュとマテリアルの割り当て
 コリジョンの設定
  新プリコリジョン、プリミティブコリジョン、K-DOPコリジョン、自動凸包コリジョン
・メッシング
 グレーボクシングで作成したグレーボックスを本番に近いアセットに置き換える
 天球、フォグの配置
 Zファイト(ポリゴン面が重なって起きるチラつき)の調整
 アセット種類ごとレイヤで管理
・ブループリント(ビジュアルプログラミング言語の一種)
 ゲームモードの定義
 プレイヤーキャラクターの制御
  ゲームパッド、マウスなどで操作
 トリガーの活用:OnActorBeginOverlapなど
  ダメージ地帯、ピックアップアイテムの作成
 カスタムイベント
  任意のイベント作成と、そのイベントの呼び出し:ドアが一定時間後閉まるなど
 スポーンによるアクタの生成制御とデストロイによる消滅、Pawnのリスポーン
 変数
 サブルーチン
 配列
・スケルタルメッシュ
 マテリアルの割り当て
 ブループリントへの組込み
 スケルタルメッシュに物理アセットを割り当てる
・タイムラインでアクタやコンポーネントを動かす
 ピックアップアイテムの回転、ドアの開閉
・物理エンジンによるパラメータ調整
 オブジェクト同士の衝突判定を切り分けるオブジェクトチャンネルと、プリセット
 ※ピックアップアイテムに敵の弾道は当たらないが、プレイヤーや壁には当たるなどの複雑な条件のグループ分け
・敵キャラクターのAI
 ビヘイビアツリーを利用した実装
  シーケンス
  セレクター:デコレータパターンによる条件の追加
  ブラックボード
・スケルタルメッシュアニメーション
 ステートマシンで、アニメーションの推移を管理
・マテリアルエディタ入門
 独自マテリアルの作りこみ
 ポストプロセスマテリアル
 動的マテリアルインスタンスを個別調整に利用する
・パーティクルシステム
 火花や炎
・ライティングと影
 平行光源
 大気フォグ
 天球による空
 スカイライト:イメージ・ベース・ドライティング
 ライトマス・インポータンス設定
 ポイントライト
 パーティクルシステムにlightモジュールで効果を加える
 スポットライト
 光源効果の事前計算によるベイク処理
・BGMと効果音
 3Dサウンド
 SFXによる減衰する音と、BGM音
  ブループリントから効果音を呼び出す
  マップ上にドラッグ&ドロップして音源を配置する
  タイムラインにタイミングよく音を設定する
  アニメーションからライミングよく音を出す
 引数をつかって再生音を切り替える

・付録A
Movement Componentでアクタを動かす
 Rotating Movementで回転させる
 Projectile Movementで放射物を発射する

・付録B
Construction Script
 アセットを組み合わせ応用可能で試行錯誤しやすい単位に分解し、ブループリントによりパラメータ引数などで条件を与えて組み立てられるようにする。

・付録C
カメラの作り込み

・付録D
ゲームのUIを構築

・付録E
最後のゲームの仕上げ項目
パッケージの作成方法
今後のUE4に関する調査方法

以上。


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