【映画】キッズ・リターン

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【映画】キッズ・リターン

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人間の綺麗な部分ばかりを描いた青春エンターテイメント映画だと思って本作を見ると、物凄く打ちのめされるだろう。
若者達の不器用さ、未熟さ、其れ故の大人になるための社会の洗礼に、憂鬱になりながらも、不思議と勇気をくれる。そんな映画だ。
登場人物の人間関係、人物相関は、馴れ合いで妙に理由もなく仲良くになんて描かれることなく、それぞれに距離感があって現実的でリアルだ。少年漫画なんかには登場することのない、親しいふりして緩やかに退廃へ引き込もうなんてする悪い人も登場する。まさに、すべて綺麗事だけで済まさず、社会の、人間の暗部にも一歩踏み込んだ容赦ない描写が映画全体のトーンを暗めに抑えながらもリアルに引き締めている。その中で上り詰めていく二人の若者の姿にカタルシスを感じる。
北野映画でも、巧みな脚本が光る傑作。

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