site_review: 2025-07-22 00:47:09.684431 【ゲーム】ドラゴンズドグマ2

【ゲーム】ドラゴンズドグマ2

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【ゲーム】ドラゴンズドグマ2


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RPGゲーム上のイベント(戦闘以外)は記号的にまで簡略すれば、A〜B地点間の人や物や情報の移動、伝達にすぎない。近年の巷に溢れるユーザフレンドリーなゲームデザイン、UIサポート機能などにより、目標地点のフラグをめざすのを繰り返すだけ(おまけにファストトラベルでサクサクと)でイベントが進めてしまって旅も情緒もない現状に疑問を投げかける野心作であると感じた。
フラっとあてもない旅に出るにしても、このゲーム上では随所に洞窟が隠され作り込まれ、朝、夜ごとに風景や旅の危険度は顔を変え、雑魚敵やボス級の敵との遭遇、その合間を埋める仲間たちの絶え間ない会話のやり取りなど、繰り返し探索を快適かつ楽しく進むための作り込みがきっちりできている。ファストトラベルの一種の牛車においても「目を瞑る」を選択しなければリアルタイムでの移動を体感できる点においても、ファストトラベルがしにくい世界、重量物を考慮しなければならない設定など、そのほかの要素においても、あえて少々面倒くさい世界、その面倒臭さなどが、それを乗り越えた時の達成感をより一入高いものに昇華してくれているのを体感して欲しいからではないだろうか。何気ない気ままな旅の余韻、情緒というものを感じて欲しいという製作者側の強い思いを感じる。
手が届きにくいから価値を感じ渇望する現実での現象。例えば、なかなか手にはいらない人気の食べ物を楽しみにしていたが、量産されて市場に溢れたら飽きが早くきて価値を失ってしまう現象。エベレストの頂上は、現代でも価値ある希少ポイントだが、安価でヘリ着陸できる時代になったり、万人が通れるように道や設備が整備されたら価値は大幅に落ちるだろう。最近ではネットでなんでも購入できるため、逆に実店舗でないと購入できないブランド、モデルとかを用意して希少性と価値を高めていたりするらしい。何か、遠くて価値あるものをくれた場所が、ファストトラベルで行きやすくなり価値が薄れる感覚に似ている。こういった現実の日常や、冒険において価値を感じるポイントが、ゲーム上では便利すぎて価値を見出しづらくなっている事に警鐘を投げかけてくれているのではないだろうか。あえて色々な困難さを加えてゲーム上に新たな様々な価値を持つ世界構造を構築している気がする。

あるモンスターから投げかけられる謎解きの意地悪さ、しかしゲーム外の本来の自分の地の頭の回転力と記憶力を駆使することで爽快に立ち回れる設定、イベント進行においてもある程度自由度があったり分岐がある一癖ある設定、ゲームエンディングロール中での操作イベント、NPCの感染症(症状が気付きにくいのはやりすぎだったかもしれないが)の設定など従来のゲームの枠を変えて新たな価値観を作り出そうとする意欲が垣間見れる。
その中でも、ポーン以外の街で息づくNPCにもそれぞれ名前や好みなどプロフィールを持っており、プレゼントなどで任意のNPCと仲良くなれる機能は地味に見事な作り込みだ。逆にNPCを殺したりもできる、復活も某所でできるなど、今後のRPGの設定で面白くなりそうな、または昔忘れ去られた要素を現代の技術で昇華させて登場させている。
ゲーム全体として、最初は一見面倒臭い設定でやりにくさを感じたが、世界に馴染んでくると少しも苦でなく、楽しくフィールドを探索し、少々面倒な回り道を冒険としてロールプレイしている自分がいた。

〜〜以下ややネタバレ〜〜

ストーリーにおいても、従来の世界の平和を取り戻す勇者のストーリーは、その世界を創り上げた者にお膳立たれたものではないかという皮肉が含まれており、それらの茶番の輪廻から解き放たれた時、初めてゲームタイトルにナンバリング「II」が加わり「ドラゴンズドグマ2」がスタートすることに、製作者はこれがやりたかったのかと納得した。

〜〜ネタバレここまで〜〜

効率とかコスパ、タイパが好きな人には合わないかもしれない。だが、旅においても楽しさの大半は面倒ごとを乗り越えたり解決した時。それを楽しめる人におすすめ。ゲーム自体は、そういったプレイ方法に最適化して作り込んであるはずなので、興味ある人はプレイしてみてください。


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